病態と原因
鼠径部痛症候群とも言い、10~30代の特にサッカーなどのスポーツをする人に多く発症するスポーツ障害の1つです。
キック動作やランニングなどの繰り返しによって、股関節周囲の筋肉や関節に負担がかかり、股関節周辺や下腹部あたりに痛みを起こすことが多いです。
サッカーのサイドキックの動作をすると特に痛みが出やすいのが特徴です。
サッカーの長谷部誠選手や中村俊輔選手、元日本代表中田英寿氏、元フランス代表のジネディーヌ・ジダン氏ら、サッカー界の有名選手も苦しんできたこのスポーツ障害は、サッカー界ではお馴染みの症例とも言えます。
グロインペイン症候群の症状
グロインペイン症候群の初期の症状としては、サッカーでボールを蹴る時の痛みや全力で走る時の痛みなど限定的な運動時痛が起こります。
悪化していくと、痛みが出る頻度が徐々に増え軽い運動でも痛みが出るようになります。
グロインペイン症候群になりやすい人?
多くの文献やホームページでは、グロインペイン症候群になりやすい人として
1、臀部の筋肉が硬い人
2、腰痛を抱えている人
3、オーバートレーニングの人
その他の原因として足首の捻挫をした事がある人、などが挙げられます。
どこかに痛みがあったり、筋肉が固くて可動域が悪いとグロインペイン症候群になりやすいと言われています。
(当院の考え方はちょっと違います。それは後ほど説明します。)
病院や整形外科では?
整形外科ではグロインペイン症候群には決定的な治療法は無く、とりあえずは安静にして運動を制限するのが一番と言われていますが、運動を再開するとまた症状が現れてくることもあります。
グロインペイン症候群は股関節周辺への筋力の低下を伴いますのでそれを改善しない状態で、再度、ボールを蹴ったりする動作を行なうと筋肉が負荷に耐えられないために、痛みが復活しやすくなると言われています。
電気治療やマッサージだけでは効果が少ないので、体幹の筋肉を強化するリハビリが必要となってきます。
整形外科に行くと「グロインペイン症候群になったら体幹を鍛えましょう」と言われると思いますが、やみくもに体幹を鍛えても効果が少ないばかりか、逆に復帰を遅らせてしまうケースもあるので注意しましょう。
(その理由も後ほど説明します。)
当院でのグロインペイン症候群の施術
当院でのグロインペイン症候群の原因と施術方法は普通とは違います。
当院が考えるグロインペイン症候群の原因ですが、インサイドキックやインフロントキックの多用は股関節外旋という動作が必要になります。(股を開く動作です。)
その股関節外旋動作を行う筋肉で最も強く働くのは「腸腰筋」と「恥骨筋」という筋肉です。
【左側の筋肉が腸腰筋と恥骨筋】
この腸腰筋と恥骨筋がしっかりと働く事によって強いキックが出来るようになります。
ですが、この筋肉の使いすぎで過緊張(硬くなる)になると筋肉の付け根が引っ張られて痛みを起こし、グロインペイン症候群になってしまうのです。
恥骨筋が過緊張(働きすぎ)になると恥骨結合炎などを引き起こします。
ここで気をつけて頂きたいのが【グロインペイン症候群になったら体幹を鍛えましょう】というリハビリです。
ここで言う体幹とはほとんどが腸腰筋の事で、ただでさえ使いすぎて硬くなってる腸腰筋を更に鍛えようとリハビリすると良くなるどころか治らなくなってしまうケースが多く見られます。
では、この腸腰筋と恥骨筋の過緊張を緩めて、グロインペイン症候群の症状を取り除くにはどうしたらいいか?
ガンバっている腸腰筋の裏で、サボって筋力低下を起こしている多裂筋や腹横筋をしっかりと働くように促通することが重要になります。
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