草むしり後の腰痛から太ももの痛み…原因は…

草むしり後の腰痛から太ももの痛み…原因は…

今回は54歳男性の患者さまの症例をご紹介いたします。

約1ヶ月前、草むしりをしていた際に身体を軽くひねった瞬間、「ピキッ」とした違和感が腰に走りました。

その日の夜には腰痛が強く出現しましたが、数日経過すると腰の痛みは軽減し、代わりに左のお尻から太ももの内側〜前面にかけての痛みへと変化していきました。

来院時も主な症状は腰ではなく、左臀部と左大腿内側の痛みでした。

まず考えられるのは椎間板ヘルニアですが、SLRテスト(仰向けで脚を上げて神経の圧迫を確認する検査)では異常は見られず、また梨状筋症候群を疑うテストも陰性でした。そのため、神経の根本的な圧迫ではない可能性が高いと判断しました。

一方で、「腰を反らすと痛みが強くなる」という特徴がはっきりしていました。

この動作で痛みが増す場合、関与する筋肉として注目すべきなのが「腸腰筋(ちょうようきん)」です。

腸腰筋とは、大腰筋と腸骨筋からなるインナーマッスルで、腰椎から骨盤、太ももにかけて付着し、姿勢の安定や歩行に大きく関わる重要な筋肉です。特に長時間の座り姿勢や猫背の方は、この筋肉が短縮しやすくなります。

そして重要なのが、この腸腰筋の間を「大腿神経」が通っているという点です。

大腿神経は太ももの前面や内側の感覚・運動を司る神経であり、腸腰筋が過剰に緊張すると、この神経が圧迫され、太ももに痛みや違和感が出ることがあります。

今回のケースでは、最初の腰の痛みをかばう「筋性防御(身体を守るために筋肉が無意識に緊張する反応)」によって腸腰筋が過緊張状態となり、その結果として大腿神経を圧迫し、太ももの痛みを引き起こしていると考えました。

さらに臀部の痛みについても、腸腰筋の影響により骨盤周囲のバランスが崩れ、中殿筋などの筋肉まで緊張が広がったことで生じた可能性が高いと判断しました。

施術では、腸腰筋に対して負担の少ない方法で丁寧に緩める手技を複数用い、痛みの変化を確認しながら調整を行いました。また、骨盤の歪みも同時に整えることで、筋肉と神経へのストレスを軽減させていきました。

併せて、日常生活での負担を減らすためコルセットの使用と安静の指導も行いました。

その後は3日おきに施術を継続し、合計6回の施術で日常生活動作にほぼ支障がないレベルまで改善。無事に施術を終了することができました。

特に男性の場合、デスクワークや姿勢不良によって腸腰筋が慢性的に短縮しているケースが多く、今回のように腰痛だけでなく、太ももやお尻の痛みとして現れることも少なくありません。

「坐骨神経痛だと思っていた」「年齢のせいだと諦めていた」その症状、実は筋肉由来の問題かもしれません。

なかなか改善しない腰痛や太ももの痛みでお悩みの方は、原因をしっかり見極めることが大切です。お気軽にご相談ください。


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