腰痛や坐骨神経痛でも歩いたほうが良いの?
腰痛や坐骨神経痛で当院に通院される患者さまによく聞かれる質問です。
本来なら歩行や散歩などはできるだけやったほうが良いとお伝えます。
「老いは足元から」と言うように、歩けなくなることで、筋力が低下して体力の低下や内臓機能まで影響することがあるからです。
ですが、坐骨神経痛の状態ではちょっと様子が違ってきます。
●歩き始めは痛いが、少し歩いていると徐々に痛みが軽減または消失してくる
この場合は歩いても大丈夫です。
歩きはじめは筋肉の過緊張や関節の動きの硬さがあり坐骨神経痛が起こりますが、動いているうちに筋肉や関節が緩み、坐骨神経の通りが良くなっているので、歩行後い痛みが増えない程度の距離や時間ならどんどん歩くべきだと思います。
このようなケースの場合は坐骨神経痛の原因が筋肉の過緊張(固くなって動きが悪くなっている)から起こっているものが多いので、治療でも固くなっている筋肉を緩めて、坐骨神経の通りを良くすることで改善することが多いのです。
また、普段から運動不足の方も筋肉がガチガチに固まっていることが多いので、施術と一緒に軽いウォーキングやストレッチをセルフケアで行っていただくことで、腰痛や坐骨神経痛が改善します。
●歩くと痛みがひどくなる
この場合は痛みを我慢してまで歩くのはオススメしません。
年配の方に起こりやすい腰部脊柱管狭窄症に間欠性跛行(かんけつせいはこう)という症状があります。
これは、歩くと下肢の症状(痛みやしびれ)が強くなり、しばらく座って休むとまた歩けるようになるという症状です。
間欠性跛行が強く現れる場合は、無理して歩くのはとても辛く、症状を悪化させてしまう可能性もありますので、まずはある程度歩くことができるように、他のエクササイズをしたり治療をしたりする必要があります。
身体を反らすと腰痛や坐骨神経痛が起こる方も、歩くと痛くなること多いのでご注意ください。
【間欠性跛行】聖路加国際病院HPより参照
●どれくらい歩いたら良いの?
坐骨神経痛や腰痛があるが、歩くことは問題がない方は積極的にウォーキングをしたようが良いでしょう。
ウォーキングだけで坐骨神経痛や腰痛が改善することもあるからです。
どれくらい歩いたら良いのかは、その方の性別や年齢、職業などで変わってきますので一概には言えませんが、目標としては1日1万歩くらいが良いでしょう。
普段ほとんど運動をしない、歩かない人がいきなり毎日1万歩はちょっと負担がかかりますので、まずは30分のウォーキングから始めて見ましょう。30分のウォーキングは男性だと3500歩、女性だと4000歩くらいと言われています。歩数計はスマホでカウントしながら徐々に距離や時間を伸ばして1万歩を目指しましょう。
ですが、あくまでも歩いて痛みが出ないことが大前提です。
ウォーキング中やウォーキング後に痛みや不快感が出ない程度で十分ですので、【やり過ぎ注意】でお願いします。
ウォーキングによる効果は1ヶ月から2ヶ月くらいで身体に現れて来ますので、焦らずに無理せずに行っていきましょうね。